レーザープロセスがなぜ最近盛んなのか?皆様はどうお考えでしょうか? いくら流行だからと言ってプロセスとして導入して良いのかどうか?今回はレーザープロセスの利点、欠点の概略を改めて考えたいと思います。
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今回はUV加工について紹介したいと思います。 なぜ高価なUVレーザーは加工
に使用されるのでしょうか?いったいどんなメリットがあるのか?なぜUVでなく
てはならないのか? 半導体に詳しい方ならステッパー(ウエハ基板に回路を
作るためのプロセスで使用される露光装置)の進化を見ればご理解していただけ
ると思うのですが。ステッパーの光源はどんどん短波長化しています。リソグラ
フィー技術は10年ぐらい前まで高圧水銀灯のg線やi線と呼ばれる紫外線を利用さ
れていました。しかしさらに短い波長を使用しなくては半導体プロセスルールを
クリアすることができずついにエキシマレーザーを使用する時代へと移り変わり
今に至ります。エキシマレーザーも248nmのKrFや193nmのArFそして次世代対応と
言われている157nmのF2といくつかの種類があります。これらはその時々のプロ
セスルールの目的に合わせて使い分けされていることが多いです。
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波長が短くなると振幅が短くなり、よりスポット径を小さくすることが可能。
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なぜそん
なに短波長化が必要なのか?それは短波長化することにより微細化が可能になり
からです。電子機器の小型化に伴う微細化と微細化にすることによるコストメリッ
トの点から今後もどんどん微細化に進むと考えられています。ではなぜUVレーザー
微細加工に適しているのでしょうか? 第1にUVの波長はIRと比べるとかなり
短くなります。
IRレーザーの代表であるCO2やYAG基本波のそれぞれの代
表的な波長は CO2 10.6μm YAG 1064μm 対するUVレーザーの代表
であるYAG第3高長波や第4高調波の波長は YAG 3ω 355nm YAG 4ω
266nm となっており、もっとも違いの少ないYAG基本波と第3高調波と比
べても3倍の違いがあります。波長が短くなると振幅が短くなります。つまりレ
ンズで同じように絞っても次の式から絞れる径がちいさくなるのが分かります。
スポット径=Kλ/NA(Kは係数) を見れば一目瞭然です。分子に波長の
値(λ)が入っていますのでそこが小さくなればスポット径も小さくなります。
スポット径を小さくすることができると言うことは加工エリアをより小さくする
ことが可能と言うことです。
エキシマレーザーは半導体の最先端で利用されている。 |
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第2に熱影響の差です。パルス幅が同じナノ秒
レーザーだとするとIRはバンドギャップエネルギーが低い分ワークへ与えるエネ
ルギーは熱エネルギーになってしまいます。それに比べUVはバンドギャップエネ
ルギーが高くワークの分子に直接影響を与えます。高いエネルギーは焼爆(アブ
レーション)を起こすので熱影響が広く伝わる前に加工が終了します。厳密に言
えば瞬間的に熱が加わっているわけですから熱影響が全くないわけではありませ
ん。 それから本当はレーザーのパルス幅影響や繰り返し周波数も考慮しなくては
ならないのですが・・・ 以上の2点が微細加工でUVレーザーが利用されてい
る大きな点です。 実際のUV加工はもっと複雑と考えられているのですが。次
回はそのあたりを紹介しようと考えていますのでお楽しみに。
また皆様のレー
ザープロセスに関する質問や疑問にもお答えできるチャンスがあると思いますの
で、質問疑問があればメール下さい。 こちら→info@laser-concierge.com
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