Mの部屋
第6回 長期にわたり使用するために
パワーメーターの表面が劣化していませんか?
大事に使うためにしきい値を調べておきましょう。

■測定の疑問

今回もパワーメーターについてのお話です。

例えば、レーザー発振機の(長期)平均出力変動を、パワーメーターで測定した場合、常識的には、徐々にパワーメーターの読みは低下していくでしょう。(平均出力は徐々に低下していくものですから)
一見当たり前のことなのですが、ここである疑問を・・・「平均出力の低下具合は、その全てが発振機によるもの?」なのでしょうか?

例えば「パワーメーター(の検出部)の劣化具合は関係しないのか・・・?」
うーん、無いとはいえませんね。こういったことを気にしだすと厄介ではあるのですが、要するに「スレショウルド(しきい値)」に注意して使うことが必要かと思います。
※実際、レーザーの実験室などでは”目視でもわかるほど劣化している”パワーメーターを用いて測定していることがありますが・・・



レーザー照射による測定器の劣化

パワーメーターの表面が劣化してしまうと「サーモパイル」タイプだと受けた光を熱にうまく変換することが出来ずに正確な測定が出来なくなってしまいます。レンズの後でパワーを測定する場合はちょっと油断するとパワーメーターの表面をアブレーションしたりしてしまいます。
しきい値に注意して使うことにより劣化を出来る限り少なくし長期にわたり使用していくことが出来ますので注意することを心がけましょう。
もちろん校正をする必要はありますが・・・


しきい値に注意して測定

パワーメーターも結構高い買い物ですから出来るだけ大事に使わないといけませんからね。
いろんな意味でレーザーのパワー測定の手順書を作っておくのが一番良いかもしれません。

そうそう、機会があるときに、お手持ちのパワーメーターの(メーカー保証)しきい値を再確認してみるのもおもしろいかもしれません。(平均出力やパルスエネルギーだけではないかも。ビーム径なども関係したり・・・)調べることで勉強になることにもつながりますし、注意するきっかけにもなります。

これ以上の話は長くなってしまいますので、また別な機会に・・・。