Mの部屋
第7回 レーザーの安定性6
レーザーは物理の塊なので物理を理解しないと難しいですが、ここではそこな難しいレーザーの開発をのぞき見るコーナーです。
レーザー加工を行うためには光源元となるレーザー発振器の安定性を高める必要があります。
今回は共振器についてお届けします。

■共振器はレーザーの心臓部

レーザー発振器は工夫を凝らして媒体に蓄積したエネルギーをレーザービームとして外部に取り出します。この最も重要な部分が共振器です。共振器の内部では媒体の蛍光放射が種になり共振器の内部を無限に近い往復が可能な方向に合致した放射のみが、媒体の増幅の恩恵を受けて蛍光とは比べ物にならない強度に成長し、ついにはレーザービームとして外部に取り出されます。今では電球が光ることのように当たり前にどのようなレーザー装置の中でも起きている現象ですが、人類が誘導放出を利用できるようになった画期的な技術に思えます。レーザー開発に携わった経験のある方々は、どこか最初の竹製フィラメントを光らせたエジソンのような”感動”(言い過ぎ?)を自分の指先の動きに応じて、人口の光が生み出される瞬間に体験されていることでしょう。レーザー装置にとって、自動車でいえば駆動系にあたるような根幹とも言える共振器の安定性は、レーザー装置の安定性に非常に重要です。次回からこの共振器の安定性について考えてみたいと思います。



共振器の中で光は行ったり来たり


少し難しい話をしてしまうこともありますがお許し下さい。