レーザーシステム

レーザーシステム

レーザー加工を考えたときにアプリケーションによっては板金向けのレーザー切断機など既に専用のシステムとして販売されている場合があります。その場合、一から構築するよりもシステムを購入する方が近道です。ここではアプリケーション別にカテゴリー分けしてあり、汎用システムも含めて紹介しています。研究用として簡単に導入したい方やアプリケーションが決定されている方も探しやすくなっております。
種類 概要・特徴
レーザー微細加工ではプロセスを構築したり解明するためにまずは研究機を導入する場合も多くあります。ここでは研究用の基礎となる汎用のレーザー微細加工システムを紹介します。最近では紫外線(UV)レーザーの汎用機や短パルスレーザーの汎用機も出ており、光学系やステージはもちろんのことソフトウエアによるプログラムで簡単に制御が可能なので購入して直ぐに利用できるという点では重宝します。
レーザー溶接と同じぐらい産業で取り入れられている工程がこのレーザー切断加工ではないでしょうか。レーザー加工の現場で様々な厚さの素材を自由自在に切断していく光景はレーザー加工のすごさを見せつけているようです。もちろんレーザー切断は鋼鈑切断だけでなく、各種材料の微細な切断加工も行われており、幅広いマーケットで活躍しています。CO2レーザーやファイバーレーザーを搭載したシステムが多数を占めます。
ここでは溶接機単体としてではなくシステムアップされた製品を紹介しています。小型、中型、大型など出力にとらわれることなくシステムとして販売されている製品を紹介していますが、アプリケーションによりカスタマイズ可能でユーザーの目的にあったシステムアップが可能です。
レーザーによる樹脂溶着は現在すでに一般的な加工法として生産現場で利用されています。金属の溶接と異なる点としては樹脂溶着の場合は溶着したい面同士をコンタクトさせ、そのコンタクトしている面をレーザー光で融かすことにより固定する点です。そのためレーザー光が透過する樹脂材料とレーザー光が吸収する樹脂材料を使用します。また密着性を高めるために加工時には圧力をかけてレーザー光を照射します。
メタルマスクはステンシルマスクと言われるプリント基板にペースト状のハンダを塗布する際に使用される金属薄板の治具です。プリント基板の上にハンダの位置に穴の開いたメタルマスクを載せクリーム状のハンダを流し込み、スキージと呼ばれるヘラで刷り込みます。メタルマスクのデザインが変わってもレーザー加工ですぐに加工が行えるため型抜き加工など他の工法に比べ重宝されています。
電子機器に使用されているプリント基板への穴あけをするための装置で、その穴をVIA(ビア)と呼びます。最近の電子機器は高密度実装が主流で電子部品の微小化にともないVIA径が50μm以下の物も登場しています。そのため搭載されるレーザーもYAG第3高長波の紫外線(UV)レーザーが使われるようになってきました。とはいえまだまだCO2や固体レーザーの基本波などの赤外線(IR)レーザーが主流で活躍しています。
レーザー3Dプリンターとは材料にレーザーを当てることで固めそれを積層させることで立体物を作る装置の総称です。金属なのど材料粉をIRレーザーで溶融し3Dにするレーザー焼結法(SLS)と言われるタイプと紫外線硬化樹脂をUVレーザーで硬化させ3Dにする光造型法(SLA)と言われるタイプがあります。金型などが不要なため試作品やモックを作ったり、少量生産を行うのに従来方法に比べ格段に早くなります。
PLDとはPulsed Laser Deposition(パルスレーザデポジション)法の略で、真空チャンバー中に置かれたターゲット材料にパルスレーザを照射し、光化学反応によりアブレーションした物質を対向する基板に堆積させるという、成膜法のひとつです。PLD法は、酸化物のような高融点物質の成膜が簡単に行えたり、ターゲット材の性能を薄膜化できたりと、多の成膜法では難しい薄膜を作成することが出来ます。
レーザーリフトオフ加工とはガラスや結晶基板から薄膜を剥離させる加工のことです。もともとはサファイア基板に成長させたLED用のGaN(窒化ガリウム)系化合物結晶層(材料層)をサファイア基板から剥離する技術でしたが、今ではガラス基板上のポリマー系薄膜デバイス層や同じくポリマー系のフレキシブルディスプレイ用デバイス等を剥離させる工法などへも応用が広がっています。
上記に上げたアプリケーション以外にもマイクロワイヤーストリッピングやマイクロワイヤー溶接、薄膜加工など各種レーザー加工に専用設計されたレーザーシステムが存在します。ここではそのような上記の項目に分類できないレーザーシステムを紹介しています。